給餌は日本みつばちの飼育にとっては重要な要素のひとつです。養蜂家の中には、給餌は邪道ととらえている方もいるようですが、飼育巣が全滅し、日本みつばちを再度手に入れることを考えると、蜜不足での全滅を未然に防ぐことを優先に飼育する方が賢いやり方だと思います。もちろん流蜜時期に蜜源豊富な地域で飼育しているような環境では、給餌は希なことでしょう。
盗蜜が発生する時期とイコールであると考えてください。寒さが厳しい冬季は、外気温が10度超えないと、給餌を与えても行動できず、逆に給餌(砂糖水)が凍ってしまうので注意が必要です。日本みつばちは本来寒冷に強く、最低温度も6度ほどで活動すると言われておりますが、私の経験ですと、強勢群ならば巣箱内の温度が上がりやすく行動する傾向はありますが、中〜小の巣箱は、10度以下ではなかなか行動を起こそうとしません。冬季期間は外気温が10度超える日が多くなる2月頃が良いと思います。
みつばちを扱う書籍やWEB媒体にも、様々な給餌方法が解説されていますが、基本的には砂糖水(溶液タイプ)となります。私の場合は、比率は下記の通りで作っています。
火にかけた砂糖水は絶対に沸騰させてはいけません!沸騰水はみつばちを弱らせます。
出来上がった砂糖水を、底の浅いタッパに入れます。そして、これが大事。溺れないように割り箸などを液体表面に覆うように浮かばせます。但し、給餌には多少の犠牲がつきものと思ってください。このように加工しても、必ず数匹は溺れて死んでしまいます。
必ず巣箱内で給餌することを心がけてください。表で与えると、蜜の匂いにより他の巣箱のみつばちたちを誘う要素となり、盗蜜の原因ともなります。与える時刻も、外気温が上がり集蜜が終えた後の方が、みつばちたちも穏やかですので、この時間帯で与えています。特に冬季は気性が荒く、早朝や気温が低い時に巣箱をむやみやたらに開けると刺されます。これも、野外活動するまでに巣内で自身たちで温度を高めるために調整していると考えています。
私の場合は、2キロを基準で考えています。与え方もまずは1キロあげてから、少し期間(1週間ほど)を与えてから追加で与えるようにします。しかしながら、与えて猛烈に消化するようでしたら、期間を与えずに追加しても良いと思います。相当な蜜源不足が発生していると感じています。このような摂取量が激しい場合は、他の巣箱も同様に貯蜜が不足していますので、すぐに対応するようにしましょう。状況に応じて、追加量も検討してください。
給餌して3週間もせずに採蜜した場合は、正直、砂糖水の味が残ってしまいます。採蜜することを考慮しながら、時期を選んで給餌することを推奨します。但し、蜜源不足が多く発生するエリアでは、飼育数を減らすなどの配慮も検討する必要性はあります。これが自然の摂理というものですから。